サプライチェーンに対する取り組み
持続可能な社会の実現に向け、サプライチェーン上で生じる社会課題について、お取引先様と協働し、解決に向けて取り組むことが必要不可欠だと考えています。特に、調達においては、「不二家 購買・調達方針」に基づき、原材料の生産段階における環境・人権問題への取り組みや、調達段階における安定性の確保などを推進しています。
カカオ豆
チョコレートの原料であるカカオ豆の原産地では、貧困・児童労働等の人権問題や森林破壊といったさまざまな社会課題を抱えています。そのような課題解決に向け、2018年よりカカオ産業のサステナビリティ向上を目指す世界カカオ財団(WCF)※に加盟、2021年よりサステナブルカカオ豆(人権・環境等の課題に配慮して生産されたカカオ豆)の調達を推進しています。また、サステナブルカカオ豆の購入により、お取引先様を通じて、カカオ栽培農家の支援活動に寄与しています。


- ※世界カカオ財団(WCF:World Cocoa Foundation):カカオ生産国において、持続可能なカカオ経済を促進し、経済的・社会的発展や環境保護を実現していくことを目的とした組織。
ガーナ産カカオ豆のサステナブル調達

当社では、2028年度までにガーナ産カカオ豆のサステナブル調達比率を100%とすることを目標に取り組んでいます。
支援活動の一例

- ※1CLMRS(Child Labor Monitoringand Remediation System/ 児童労働監視改善システム):カカオ産地で児童労働撤廃のための活動を推進するNPO団体のICIが開発したシステムで、各農家に対するモニタリングとモニタリングに基づいた対策・立案・実行のサイクルで児童労働を防止する手法。
- ※2VSLA(Village Savings and Loan Association):農家コミュニティ内での自主的な資金管理を支援し、児童労働の根本的要因の一つである貧困を改善する手法。
- ※3IGA(Income Generating Activity):貧困からの脱却を目的として収入を得る機会を提供する活動
パーム油
お菓子やケーキに使用される油の1つであるパーム油の原産地では、急速なアブラヤシ農園の拡大による森林伐採や生物多様性の損失、不適切な農園経営による人権問題等、さまざまな社会課題を抱えています。当社では、持続可能なパーム油の調達を目指し、RSPO※4に加盟しています。
- ※4RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil / 持続可能なパーム油のための円卓会議):世界自然保護基金(WWF)を含む関係団体が中心となり、2004年に設立された。世界的信頼される認証基準の策定とステークホルダーの参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することを目的としている。
お取引先様との協働

サプライチェーンにおけるさまざまな課題の解決や、「不二家 購買・調達方針」に則った調達活動の推進には、お取引先様との協働が不可欠だと考えています。新たな原料・サプライヤーを採用する際には、審査(右図)を行い、採用の可否を決定しています。取引先選定フローとしては、まず使用に適した原材料か、お取引先様はどのような会社かを見極めるために情報を収集し、書類審査を行います。次に三現主義に基づき、実際に現地や工場に足を運び、現物や生産環境等に問題がないかを確認のうえ、採用の可否を決定しています。また、必要に応じて改善・指導を行います。今後も、持続可能な社会の実現に向け、調達分野においてどのように貢献できるかを検討し、お取引先様と協働しながら課題解決につとめます。